SOBAKIRI GIN
「蕎麦きり吟」
蕎麦屋
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十割の白いおそばがいただける名店
蕎麦切り、とはそばの麺のこと。その店名どおり、十割そばがいただける店「蕎麦きり吟」は、段原骨董通りの路地裏にあります。お店のこだわりは、お米で例えると、もみ殻つきの状態である「玄そば」で仕入れたそばの実を、丁寧に殻を取り除き自家製粉していること。蕎麦というと灰色で黒い粒々があるのを想像する方も多いと思いますが、それは殻ごと製粉しているから。一般的なお店では、殻つきのまま石臼にかけて粉にし、風で飛ばして殻を取り除いたりすることもあるそうですが、その方法だとどうしても黒い粒みたいなものが残ってしまうそう。蕎麦きり吟では殻をむいてから石臼にかけるという、広島でも数少ない方法で製粉しているので、白いおそばがいただけます。
こだわりの自家製粉
「殻をむくとすぐに劣化が始まるんですよ。だから時間との戦いですね」とご主人の前田さん。殻をむいた状態やすでに粉になったものを仕入れることは可能ですが、その場で製粉するのとは新鮮さがまったく違うといいます。製粉後の新鮮なそばは、つなぎがなくても水だけでじゅうぶんなんだそう。品質にこだわったそばづくりをされている、信頼できる埼玉のそば農家さんのものを中心に、茨城産など関東のそばを自分なりにブレンドしているとか。イチオシはそば本来の味と香りが濃厚に楽しめる「せいろ」。
香り高くコシのあるお蕎麦
殻や不純物をすべて取り除いているだけあって、麺は緑がかった透き通った白色をしています。編集部も早速実食。十割そばというと、ぼそぼそしているのかなという先入観を打ち砕くコシの強さでびっくりでした。香りも高くつやつやしていて食欲をそそります。つゆは出汁がしっかりめ、甘みがあって蕎麦とよく合います。ご主人が丁寧に蕎麦を作られていることがよく伝わります。人気店というのも納得です！
公務員からの転身でそば打ち職人に
トライアスロンの選手でもあり前職は公務員だった前田さん。もっとスポーツに貢献したいという思いから、指導者を目指し上京したものの将来への不安を感じ、もともとそば好きだったこともありそば職人に転身したという一風変わった経歴の持ち主。最初は家族中に反対されたと笑いながら話します。そば職人の修行後、広島に戻り親戚が住んでいた段原の土地を引きついで開業したんだそう。「段原は便利で穴場ですよ。街中でありながら郊外の雰囲気もある。土日にはお客さんも多いですしね。」と段原の居心地の良さを教えていただきました。現在は夜の営業はお休みされていて、お昼の時間帯のみ営業中だそうです。蕎麦への情熱溢れる前田さんのおだわりの蕎麦を、ぜひ味わってみてください。
蕎麦きり吟
蕎麦屋
蕎麦／日本酒
732-0811
広島市南区段原1-7-18
